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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 時代小説・旅道連越路春。其の三
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時代小説・旅道連越路春。其の三



*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春06(越前敦賀の気比の松原)
◇女中の夜這いを捕えて見れば
翌日は名残り惜しんでせめてもう一晩と、昨夜の荒淫にも飽きずに引止める
内儀を後に、宿を旅立ったのは五ッ(朝の9時前後)過ぎの刻限だった。
「先生、昨夜はお疲れでげしょう」
「何を云ってやがる、お前こそとんだ良い拾い物をしたじゃねぇか、
 どうだあの女はぽっちゃり肥えて居たから加減がよかったろう」
「冗談でしょう、あの内儀こそ年増盛りの色っぽさで。
 さすがの先生も今朝は顔色がようござんせんぜ」
「莫迦云わっしやい。俺はあんな女の一人や二人引き受けたって、
びくともしやしないよ。しかしあの女は見かけによらぬ濃厚さだったよ」
「てへッ、堪らねえや。朝っぱらから惚気ですかい」
「何だ、てめえから云い出しときやぁがってハッハッハ」
「てへゝゝゝゝ御馳走様で」
冗口を聞きながら、疋田道口と云う在所を経て越前敦賀に着いたのは
七つ半(午後5時ごろ)だった。

二人は福井屋甚兵衛と云う宿に泊った。海辺だけに夕食の膳には
新鮮な刺身や蟹などがついていたので、思わず酒を過ごして寝床へ這入ったのは
四つ過ぎ(午後11時過ぎ)だった。

何時もの通り別々の部屋だったが玄庵は昨夜の内儀の息苦しい様な
情熱を思い出し、何時までも眠れなかった。すると廊下を盗むような足音がして、
やがて静かに障子を開ける気配がした。
行灯は消してあったので姿は見えなかったが、近づくと女の匂いがした。

玄庵は枕さがしに違いないと思ったので、いきなり側に来た女の手を掴んで
抱きすくめたが、女は声も立てなかったので、枕元にあった行灯の火をつけた。
見ると宵に給仕に来た田舎くさい新米らしい女中だった。
「何だ、お前だったのか」
「済みません、間違いました」
「間違えたって、何を間違えたのだい」
「もう一人の方が遅くなってから部屋へこい、と仰いましたので」
女は赤く成っていた。
「お前、それで部屋へ行ったら何をされるのか、知っているのかえ」
「えぇ、それは・・・」
と女は益々赤くなった。
「そうか、それなら突き当たりの部屋だから行ってやって呉れ。
 精々可愛がって貰って来るんだよ」
玄庵は一旦腕の中に飛び込んで来た小鳥を逃がしてやった。
女は恥ずかしそうに出て行った。


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旅道連越路春07(越前福井の永平寺)
翌日は早くから宿をたった。
「伊助、昨夜はどうだった」
「どうって・・・」
「とぼけるな。あんな若い女中を口説きアがって、小遣いでもやって来たか」
「ちつとも油断がならねえ。先生立聞きでもしなすったのてすか」
「頼まれたっておめえ達の色事なんか見やしねえよ。
 お前の処へ行く迄に部屋を間違えて俺の寝床へ来たのだよ」
「えッ、それじゃ先生が先に・・・」
「安心しろ。あんな小便臭い小娘にや俺ァ手出しはしねえが、
 あんな娘にやよして置いてやらないと冥加が悪いよ」
「そいつはあっしも心得ていやす」
「どうだか分るものか。しかしお前も色事に掛けちゃァ抜目がねえなア」
「先生の仕込みですよ。ヘッヘッヘッヘッヘ」
「ハッハッハッハゝゝゝゝ」

いつの間にか金島・栽田浦も過ぎ、それから河野・湯屋・広瀬を越えて、
府中の笹田屋に泊り、其の翌日、福井に着いた。
ますや四郎兵衛方に宿を取って、あくる日は吉祥山永平寺に参詣した。
 
ここは曹洞宗の大本山で有名な禅刹だけに巨木の生い茂った浄域に荘厳な
七堂伽藍が建ち具わっている広大な趣きに、二人は感嘆の声を挙げながら
諸堂を拝観して、翌日、再び福井のますやへ戻って来た。
旅道連越路春08
その夕方の事である。玄庵が風呂から上がって二階の廊下まで来ると、
隣りの部屋から出て来た女が、出会い頭だったのでチョツト玄庵に会釈をして、
階下へ下りて行った。女は二十五、六歳の様に見えたが、歌麿の一枚絵の様な
下膨れのした二重瞼の色っぽい美人だったし、なで肩の身体つきは裸にすれば
素晴らしい肉体美の持ち主らしく思われた。

玄庵はまるで魂を奪われた様に、ボーッとして部屋に這入って行った。
「先生、如何したのです」
「どうもしゃしねぇよ」
と云ったが、夕食の給仕に来た女中に、
「お梅さん、隣りの部屋に泊まっているのは夫婦連れかえ」
と云って尋ねて見た。
「いいえ、お一人ですわ。美しい方でしょう。
 何でもご病気で湯治にお出でに成ったらしいのですよ」
「何処が悪いのだろう」
「さぁ別にどこもお悪いようには思いませんけれど・・・」
「お梅さん、実はわしは医者だが、先様にさしつかいが無ければ
 診てあげても良いのだが、後でそう云って尋ねてあげてくれないか。
 大抵の病気なら癒して進ぜるからといって」
「あら、旦那はお医者様ですの。それならきっとお喜びに成りますわ」

伊助はさてはと云った顔つきで、ニヤニヤ笑っていた。
女中の返事によると、女は別に大した病気ではないのだけれど、
ご親切にそう云って下さるのなら、一度ご相談してみたい故済まないけれど、
後で部屋まで来ていただけないかと云うのだった。
玄庵は夕飯もソコソコに済ますと女の部屋へ行った。
  1. 時代小説
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも10年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて今年の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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