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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 初恋の男を思い続けて生きた女Ⅱ。其の五
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初恋の男を思い続けて生きた女Ⅱ。其の五

◇天国からのエール◇
1.jpg
「ああーん、いいよォ!最高だょ、武朗っ」
私の腰は武朗の働きに合わせてリズムを取っていました。この頃には、
誰に教えられたわけではないけれど、しっかり腰を使うことをマスターしていた私でした。

「うっうっ、あ、あんまり締め付けるなよ、出ちゃう」
しかし若さゆえ武朗はそれほど長持ちはしませんでした。私がたまらず過激に腰を
揺さぶると、彼はまたたく間に発射の態勢に入ります。

「うおおーっ、出るぞ、出るぞ、雅恵ーっ・・・」
ドビュツと迸りを胎奥に感じた瞬間、私は快美の極みに押し上げられていきました。
私は、15歳にしてイクということを知ったのです。
当時としては、何と早熟な女の子だった事でしょう。武朗との交わりが、
私を飛び抜けた大人びた少女へと成長させてくれたのです。

しかしながら武朗との幸せな日々はそう長くは続きませんでした。
中学三年の冬、まったく予想だにしなかった不幸が私たちを襲ったのです。
ある日、突然武朗が学校にも野山にも姿を見せなくなったのです。
武朗が無理心中の犠牲になったと聞かされたのは、それから間もなくの事でした。

「う、嘘っ!武朗が死んだなんてそんなの信じられないッ」
私は悲嘆に泣きくれました。武朗が母親と一緒にガス自殺をしただなんて、
信じたくはありませんでした。

貧しさに負けたのだ、と誰かが言っていました。
私の知っている武朗はそんなに弱い人間ではありませんでした。
けれど、彼のお母さんはそうではなかったのかもしれません。

武朗を失ってから、私は生まれて初めて死にたいほど落ち込みました。
両親が離婚した時でさえ、これほどの悲しみは感じませんでした。
私は命から二番目に大切なものを失ったのです。
その喪失感は、死にも勝るものでした。それでも私は死にませんでした。
私と母だって、いつ武朗の家と同じ境遇に陥っても不思議ではない状況でした。
しかし、私と母は歯を食いしばって何とか生きてきました。


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1b.jpg
私は中学を卒業すると、すぐに近所の製菓会社に勤めるようになりました。
そこで知り合った現在の夫と結婚したのは、二十歳の秋でした。

以来、私と夫は闇雲に働いてきました。夫はいつか独立して和菓子屋を開きたいと言う
夢があったのです。その為に私達は必死になってお金を貯めてきたのです。
毎日の生活に追われる内、段々と武朗の事も遠く薄れる様になってきました。
武朗との思い出は綺麗なまま、私の心の奥底に封印されてしまったのです。

やがて私が35歳になったとき、ついに店を構える事が出来ました。
それから数年は経営も順調でした。ところがここ半年ばかり、急に店の状態が
振るわなくなってきました。ちょうど経営が不振に見舞われた頃、
心の底に封印されていたはずの武朗が夢に現れる様になったのです。

武朗の出現は、何かを暗示しているようでした。中学時代、私が辛い思いをしている時に
救いに成ってくれたのも彼でした。彼は私の辛い時に必ず現れて呉れるのです。
今回も私の苦境を慰めて呉れる為に夢に出てきてくれたのだろうか・・・・。
私はそう思わずには居られませんでした。

先日も、また彼が夢に現れました。
例によってセックスしたあと、武朗がこんなことをポッリと呟いたのです。
「もうすぐ会えるよ、雅恵」
何のことやらその時は分かりませんでしたが、そのうち何十年ぶりかで中学の同窓会の
通知が届きました。この時やっと夢の中で彼が呟いた意味を理解出来たのです。

きっと彼も同窓会に来るに違いない。
空の上から降りてきて、私たち同級生に会いに来てくれるのだ・・・。
通知を胸に、私は目頭を押さえていました。

武朗はいつも私を見守って呉れているのだ。そんなきがしてなりませんでした。
「頑張れよ、どんなに辛くても決して負けるな」
そう天国からエールを送ってくれているのだ。いま、私はなぜ急に武朗が夢に
出現するようになったかが痛いほど分かります。
彼は半分くじけそうに成っている私をはげまして呉れているのです。

そんな彼に報いる為にも、私は夫を支えて行こうと思っています。
私には今よりもっと苦しく辛い時代があったのですから、それを思えば夫の
支えに成る位何てこともありません。大事な事を思い出させてくれた武朗に、
私は心の底から感謝しているのです。
END
  1. 愛と死を見つめて
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも10年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて今年の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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